パルタガス セリーD No.4

 パルタガスの人気シリーズ、セリーDの4番である。

 4番といっても、1~3番は限定品(Edicion Limitada)として過去発売されたきりのようで、スタンダードラインナップとして入手可能なセリーDの中では一番大きなものとなる。

パルタガス セリーD No.4

 ビトラはロブスト。4.88インチ50RG(長さ約124mm・直径約19.85mm)である。

 ダークブラウンの表面はオイリーに艶光り、むわりとした土の香りを放っている。

 シザーでフラットカットし着火。枯れ草が燃えるような匂いの中に、チーズとフルーツの風味が感じられる。

 吸ってみる。ドローはまったく問題なし。やはり50RGあると、ドローに対する安心感がある。

 さてお味。パワフルだけど上品なビターさとスパイシーさの中に、香りにも感じられたチーズ、フルーツの味わいがある。クリーム感の中の塩気。

 濃い味わいだが、尖ったところはまるでない。マイルド。マイルドで、強く、太い。

 強めに吸うと芳醇な煙がたっぷりと口の中に入ってくる。ちょっとくらりとするけれど―――満ちる、心身に。キューバシガー独特の旨みとエネルギーが。

 うまい。そしていい。実に良いシガーだ。

 強さ的にはフルボディ、なのだと思う。曖昧な表現なのは、味わいは極めてマイルドだし、体に負担となるような感覚も覚えないからだ。味は濃くて太いが、とても優しい。

 吸いやすいのでスパスパ吸って、喫煙時間は50分くらい。

 イメージされる情景は、地面の奥深くに眠る黒々とした土。太古の腐葉土。

 私的分類としては、他にはないキューバの―――パルタガスのエネルギーで身も心も満ち足りさせてくれるアップ系。

 うーん、うまい。心身のコンディションが良くなるばかりか、自分の中の様々なもののレベルが高まるような葉巻だ。

 吸えるものなら毎日、いつでも吸いたい。とはいえかなり高価めの葉巻となるので……やはり何かしら成し遂げた特別な夜、その感慨を噛み締めながら味わいたいシガーといえる。