トリニダッド  ショート

 トリニダッドはむかしから、「キューバ最高峰」にして「幻」のブランドといわれていた。

 それはキューバ政府が、政府高官専用としてのみ製造させ、市販はさせていなかったからなのだが、20世紀末頃より一般市場にも開放されるようになった。

 ブランドのランクということではコイーバの上位にすらなる最上位ブランド。そんなトリニダッドが作ったシガリロが、このトリニダッド ショートである。

トリニダッド  ショート

 コイーバのショート同様に、一本一本、丁寧に透明なフィルムで放送されている。

 小さいけれど綺麗で立派なリングも付いている。ただかなりゆるゆるなので、吸うときは取り外そう。

 本体の匂い。葉巻らしい匂いがぷんぷんと漂ってくるわけではない。最初はひょっとして香り控えめかな? とも思う。しかし直近まで鼻を近づけると、むわりと強い発酵臭が匂う。

 着火直後から、その発酵臭とは真逆のような甘くフルーティな香りの煙が入ってくる。驚きを覚えるような爽やかな感覚に、神経が、精神が、心が解放される。軽やかになる。

 そのフルーティな甘さの中から、クリーミィなコク、旨みが生まれる。幸福な感覚に包まれる心身。

 中盤以降は旨味とスパイシーさ、そして若干のビターさも姿を見せる。ほどよいニコチンの重さ。吸い終わった頃には十分な満足感がある。

 味わいとしてはコイーバ ショートより控えめ。一方でどこか不思議な上品さ、高貴さ、奥深さがあるように思う。

トリニダッド  ショート カタログ

 タバコ屋で貰ったハバノスシガリロガイドによれば、味わいの強さは3。直径約10mmの太めのシガリロなので、味、刺激ともまろやかだ。

 私的分類では、なにか瞑想的な心地よさを与えてくれるリラックス系。

 お値段は手頃だが、やはりハバノスの最高峰トリニダッドの逸品。じっくり味わえる時間と場所を確保し、心身を委ねるような気持ちで吸いたい。