ダビドフ エクスクイジートス

 ダビドフのエクスクイジートスは、長さ93mm、直径9mmと、クラブシガリロサイズでありながら「手巻き&ロングフィラー」の「プレミアムシガー」。

 缶入り10本が¥5400-つまり一本¥540-(2020年11月現在)と、小ぶりなシガーとしては極めて高価で贅沢なタバコである。

 高価なキューバンシガーとも、他の高級シガーともまた異なるダビドフシガーの味わいを、短い時間の中でしっかりと楽しめる。

ダビドフ エクスクイジートス

 本体の香りはごくのほのか。若干、ヨーグルトっぽいような香りがするかどうか。

 最初から吸口が作ってあるので、カットは必要ないタイプ。ドローもよし。問題ない。

 吸ってみる。うまい。ビターさの薄い膜の下に、糖度の高いフルーツのような甘さを感じる。

 また吸い続けていくうちに、スパイシーでコクのある旨味も染み出してくる。

 小さな葉巻なので辛いといえば辛い。ミニサイズゆえの味わい的なデメリットといえばそれくらいだが、その辛さも別に不快でもなく、うまさのひとつとして楽しめる。

 ほとんどの点において、立派なサイズの高級シガーに引けを取らないすばらしい味わいである。他にはない質の高さと気品―――無駄な雑味などはほぼ感じられない。

 短い喫煙時間ではなるが、目を閉じてイメージする。浮かんできたのは立派な黒檀のデスク。座っているのはどこぞのCEOか、政治家か。

 私的分類としては、吸っている最中は非常に質の高い弛緩を得られるリラックス系。吸い終わったあとは午睡から覚めたかのようなリフレッシュ感があるので、アップ系といってもいいかもしれない。

 喫煙時間は5〜10分。毎日のちょっとした合間合間に吸いたいが、これを気軽に吸うとなると、お金に相当の余裕がなければ無理であろう。

 しかしそれが実現できれば、日々の喫煙ライフの質が非常に向上するだろうとは思う。