【ビールレビュー】ハイネケン – ライトでありつつ軽すぎず、ポップでありつつ奥深いオランダビール
ポップで美しいエメラルド色のパッケージでお馴染み、ハイネケンは1863年にオランダで生まれた世界的ビールブランド。日本で一般的に売られている商品に関しては、キリンビールが製造している。
原料を独自の酵母で醸造。その独自の酵母が、フルーティさと深い味わいを生み出しているのだそうな。
原材料は麦芽とホップ。度数は5%。色合いは明るめのレモン色で、漂う香りはまろやかさをまとった柑橘香。
泡はしっかり、もこもこと立ってくれる。その感触は軽やかさを失わない程度にミルキー&クリーミー。
その泡を味わった後に来るのは、意外なほどあっさりした、さわやかなビールの味わい。
麦の旨みと甘み。その向こうに優しいほろ苦さ。そしてそのほろ苦さの中に、ちょっとハーブっぽさを感じる独特な味わいもかすかにある。
さらにはスパイス、それからソルト。甘味を増すためにスイカにかける塩のような、そんな隠し味的なしょっぱさも感じる。
ゴクリといった後の余韻としては、まずは清涼感あるフルーツの甘さが流れ、スパイスとソルトの刺激がかすかに残って、それも消えた後に残るのは最初に味わった泡のコクである。
適度で控えめなクリーミーさ―――コクが、飲み口や喉越しを優しく整えているだけではなく、実は味わい全体を包み込み、支配している、という印象も受ける。
あっさり飲みやすく、ライトでポップ。とはいえ軽すぎるわけでもない、この絶妙なタッチのビールはどんな場所・状況に合うだろう。
ある程度腰を落ち着けられて、かつ陽気かつ軽快な気分で騒げる環境。そうだな、スポーツバーで、あるいはスポーツ観戦をしながら飲みたいビールだね。
オランダの人々は、こいつを飲みながらサッカーでも見ているのだろうか。オランダ人がビールと共に食べるおつまみってどんなんだ? 寡聞にして即座には思い浮かばないが、ソーセージとかチーズとかかな。
そういうものも調べ、仕入れてきて、いずれ一緒に楽しみたいと思う。