【ビールレビュー】一番搾り とれたてホップ 2024 – 踊り出したくなるような味わい。新鮮で軽やかなフルーティさと旨み
キリン一番搾りのとれたてホップの発売がつい先日開始された。
よく見る銘柄だし、実際何度か手に取ってみたこともあるのでハテ? と思ったが、公式サイトによればこのとれたてホップシリーズ、毎年この時期に一定の間だけ限定発売されているものだそうだ。
2004年から21年に渡り、その年に収穫された新鮮なホップを使用して作ったビールとのこと。夏に収穫され、通常であれば乾燥させてから使うホップを生のまま急速冷凍して醸造にもちいている。つまりは生ホップ生ビールというわけだ。
原材料は麦芽とホップ。度数は5%。ホップは名産地たる岩手県遠野産の「IBUKI」だ。
色合いは明るめで透明度が高い。泡はキリンのビールにしては繊細なタイプかと思う。
そんな泡から漂う匂い。ほのかなフルーツとミルク。フルーツのイメージは洋梨だ。
さてお味は。グビリといくと、まずは一瞬だけスパイス的な刺激を感じ、すぐにフルーティな甘さが全面にくる。
フルーティな香り、酸味、甘み、旨みが融合しあった味わいが広がり、余韻としてビールらしいほろ苦さとアルコール感が優しく残る。
うまい。そしてちょっと意外なうまさ。一番搾りといえば麦の旨みを重視したようなものが多いが、これはクラフトビールのような味わいも有している。
そして軽やか。ホップな感触。ビールのホップはホップステップジャンプのホップとは違うが、そちらのホップを思わせるような、踊るような軽やかさがある。
その軽やかさを生み出しているのは素材の新鮮さであり、そして“生”という点であると思う。
夏に収穫されたホップを使った秋のビールだが、想起されるのは春の野原である。
春にせよ秋にせよ、過ごしやすくなる季節への変わり目というのは、ちょっとテンションがあがるものだ。なにか新しいことをしてみたくなる。
そんな季節の変わり目の高揚感を後押ししてくれるようなビールである。