【ビールレビュー】エビス クリエイティブブリュー 焦香 – ビターなカカオの酸味と苦味。個性と意外性に溢れた味わい
エビスの限定商品、クリエイディブブリュー焦香(こがれこう)を飲んでみたい。
焦がして作ったチョコレート麦芽なるものを使用し、柑橘香のあるホップで香り付けすることで、カカオを思わせる味わいをに仕上げたビールらしい。酵母は厳選された上面発酵酵母をもちい、エビスらしくじっくり丁寧に醸造したビールとのこと。なかなかにおもしろそうだ。
原材料は麦芽とホップ。度数は5%。麦芽は前述したチョコレート麦芽を、ホップはカスケードを一部使用。
色合いは淡めの黒ビールといった感じ。ちょっとブラウンがかった泡はもこもことしている。結構泡がよく立つタイプかな。
その泡に鼻を近づけて匂いを嗅いでみる。焦げた香ばしさと、柑橘。なるほどビターなチョコレートのイメージだ。
さて一口。いちばん強めに感じられる第一の味わいは、意外や酸味だ。酸っぱさが焦げた麦のほろ苦さをまとい、まもなく柑橘が香る。
このあたりも、カカオっぽいというのはその通り。チョコレートの甘いイメージから意外に感じるが、砂糖を入れていないカカオそのものは結構酸っぱいんだよね。
ビターな酸味と苦味。旨みや甘みは裏方だ。くぅ〜、と染みるタイプのビールである。本来ならきつく感じられそうな苦味や酸味が、なぜか心地よく心身に染みて、幸福感をもたらす。
パッケージにあるチョコレートという単語の印象から甘いビールを想像していたので若干の困惑はあったが、飲み進めているとその意外さもうれしいサプライズと感じる。
味わいのパンチにも関わらず、とてもさっぱりした飲み口であるのもまた個性か。公式によればこってりした味の濃い料理やスイーツにも合うとのことだったが、さもあらん。
2缶目を開け、今度は泡が立ちすぎることをおそれず大胆に注いでみる。グラスの半分以上が泡々になってしまうが、香ばしさの中に甘みが開花し、味わい全体が調和する。酸味やほろ苦さがメインなのは変わらないが、飲み口は軽快かつやわらかな感じになる。
ビールは注ぎ方でかなり味わいの印象が変わってくるものだが、エビスのビールは特にその傾向が強いように思う。
お値段は普通のエビスよりちょっと高めで、クラフト系の価格帯となるが、この味わいのユニークさは一度飲んでみる価値あり。この手の個性的な限定販売ビールが定期的に出てくれるのはうれしいことだね。