【ビールレビュー】オリオン・ザ・ドラフト – 軽やかに、さわやかに、麦の旨みをしっかり味わえる沖縄ビール
日本ビール界における沖縄の雄、オリオンビールは地元沖縄ではシェア1位、全国的にも5位と、ローカルでありつつ超大手なメーカー。
その代表作、オリオン・ザ・ドラフトはあくまでも地元、沖縄の人々に愛される味を実現することを目的に、沖縄産の大麦や自然豊かな「やんばる(山原)」地域の水を使用。シンプルながら、しっかりした麦の味わいも堪能できる逸品となっている。
雑味のないさっぱりさわやかな味わいのために、濾過にもこだわっている模様。南国向けの、ゴクゴクいけるビールのようだ。
原材料は麦芽、ホップ、大麦、米、コーン、スターチ。度数は5%。色合いはかなり明るめのレモン色。泡は結構派手に立ちやすいかな? シュワシュワした爽快タイプだ。
さてゴクリ。タッチとしては軽快、あっさり、さわやか―――でありつつ、最初に来るのは麦の旨みである。旨みが最初で、そしてメインだ。
余韻として、フルーティさと甘みもある。苦味は、隠し味のスパイス程度にほのかなものだ。
2杯目はちょっと派手めに注ぎ、泡を大いに立て、ゴクゴクと。うん、やはり泡は立ちやすい。逆にいうと炭酸が抜けやすいとはいえるが、その分重さはなく、グビグビといきやすい。
自分はあまりビールを一気飲みしたりはしないタイプなのだが、これはゴクゴクいってしまうな。いきたくなってしまう。
ちなみに派手に立てた泡からはフルーツ香のあるミルキーさのようなものが感じられる。これもまたいいものだが、泡自体はすぐにしぼんでしまうので、味わうなら注いですぐに飲みたい。
飲むたびにしみじみ味わうのはやはり麦の旨み。甘い余韻が消えたあと、歯や舌に残っている味わいの残滓も、麦の旨みだ。
これほどしっかりした旨みを、ここまで軽快に味わえるビールというのは、なかなか稀有なのではないか。想起されるのは、常夏、海、祭り、踊り。
沖縄の地元民向けに造られたにも関わらず、全国のビール好きを魅了する味わい。じつに見事だ。
旨すぎて、かつ軽やかすぎて、あっという間に飲んじまったよ。もっと飲みたい。しかしながら酔っ払い度は他のビールとほぼ変わらないわけだから、飲むときはぶっ倒れないように注意すべきだな、こりゃ。