【シガーレビュー】トスカネロ(シリーズ5種) – オイリーかつ濃厚な、イタリアらしい味わいの葉巻
トスカネロはイタリア発のドライシガー。
カチカチの小枝のような外見で、長さは約78mm。吸い口の方が細くなっているコーン型の葉巻で、味わいは刺激的かつ濃厚だ。
トスカネロ 5種の紹介
トスカネロシリーズはいろいろな着香がされた品が販売されている。5種類のトスカネロを、ひとつひとつ紹介しよう。
トスカネロ アロマ グラッパ
トスカネロ アロマ グラッパはその名の通りグラッパ(イタリア特産のブランデーの一種)で香り付けがされている。
甘く爽やかな香りとともに、口の中に入ってくるのはスパイシーなコクのある旨味。
お酒とともにいただくおいしいイタリア料理がイメージされる喫味である。
着香成分ゆえかもしれないが、煙にはちょっと刺激があるかな? ゆったりとふかしたい。
トスカネロ アロマ バニラ
こちらはバニラ着香。
バニラらしく、香りも味も甘い。煙もマイルドでスムース。
とはいえかなり控えめ、あるいは上品な着香。甘すぎ、ベタつき、クドさなどを感じることはない。
イタリア葉巻の旨味と甘味を、気負うことなくしっかり味わえる。
トスカネロ アロマ カフェ
コーヒー系の着香がされており、実際濃いカフェオレのような香りが漂う。
味わいも香りに違わず、コーヒー的な風味と甘み。ビターさや酸味もあるが、それらもまたコーヒーっぽい。そこに少量のクリーミーさ。
まさにイタリア人が愛するエスプレッソをイメージさせられるシガーである。
トスカネロシリーズの中では、いちばんナチュラルに近い味わいであるようにも思う。
トスカネロ アロマ アニス
地中海東部原産のハーブ、アニスで香り付けしたタイプ。
フルーティな酸味と、クリーミーな甘みが同時に味わえる。
中盤以降ではそこに、隠し味的なビターさが混じる。
まろやかでありつつ、あっさりさわやかな喫味だ。
トスカネロ アロマ レモンチェロ
レモンチェロあるいはリモンチェッロとはイタリア産まれのレモンリキュール。
レモンの名からイメージされる通り、さわやかな酸味が味わえる。ビターさは控えめに感じる。
クリーミーな甘みと旨味。このクリーミーさ、あるいはコクは、トスカネロのどの品にも大なり小なりある。
外見からしてオイリーな艶光を浮かべているシガーだ。油分が多くて、それが味わいにも出ているのかもしれない。
とはいえ風味のメインはやはりレモン。さっぱりとした喫味を楽しもう。
気軽に楽しめてしっかりとうまいイタリアンシガー
トスカネロ―――というよりこの手のイタリアンシガーは、それほど加湿に気を使わなくてよく(あまりに乾燥しすぎるのもよくないようだが)出先などにも気軽に持ち出すことができる。
吸口はちょうど咥えやすい太さなので、ながら吸いなどもしやすい。
カチカチに硬いが、ドローが悪いと感じたことはない。安定して、葉巻らしい豊かな煙を楽しめる。
喫煙時間は普通に吸って20分。ゆっくり吸えば30分くらいはもつだろう。
ワイルドでありながらもおしゃれな外観は、咥えた状態で鏡などを見てもなかなかにかっこいいのではないかと思う。
アロマタイプによって味わいや喫味はだいぶん異なる。室内でもアウトドアでも、昼でも夜でも、気分によってタイプを変え、飽きずに楽しめるシガーであるように思う。