【ビールレビュー】サントリー生ビール – トリプル生製法で生み出された味わいと澄んだ軽やかさ
このビール、ずっと「トリプル生」が商品名だと思ってそう呼んでいたんだが、正しくはサントリー生ビールという名称だったんだね。
結構よく飲むビールである。なんたっておおむね同価格帯のビールなかでは、10〜20円安い―――からでもあるのだが、それだけでもない。
原材料は麦芽、ホップ、コーン、糖類。度数は5%。色合いは若干の濃さと、透明度が絶妙に共存し合うような黄金色。
麦芽は本場チェコで使われるダイヤモンド麦芽、ホップは香りの高いアロマホップ、コーンは軽やかながら複雑な香りを有するコーングリッツを使用。糖類の詳細は不明だが、プレミアムモルツ同様天然水が使用されている。
トリプル生というのは、デコクション(煮汁を煮出す工程)を3度くりかえすことからきているとのこと。手間と時間をかけることで、素材の旨みや個性を強く引き出しているそうな。
さて飲んでみて「おっ」と思うのは、まずはその軽やかな飲み口だろう。さわやかさとともにあるスムース。苦味、甘み、旨みはどれかが突出するわけでもなく調和しながら、手を取り合って軽快にダンスしている。
泡も軽い。荒くはない、まろやかなタイプながら、爽快感もある。
澄んだ感覚。クリアな飲み口。これが天然水由来のものなのかどうかはわからないが、陽光の下、きらきら輝くきれいな清流を想起させる。
同メーカーのプレミアムモルツの苦みを控えめにし、よりライトで飲みやすくしたビール、という印象がある。
軽いタッチだがしっかりと旨い。しっかりと旨いが軽い。
これがこのビールのいいところで、例えばいくつかの種類のビールを3〜4缶飲むとして、こいつを後半に持ってくるのにとても具合がいいのだ。
ちょっと飲み疲れ、食傷気味になった舌や体に、この軽さが心地よく沁み渡るのである。