【ウィスキーレビュー】ジョニーウォーカー ブラックラベル – かつての庶民の憧れ。歴史あるブレンテッドスコッチ
世界で最も売れているブレンテッドスコッチウィスキー、ジョニ黒ことジョニーウォーカーブラックラベルである。
12年以上熟成された40種類以上のブレンドしたという名作だ。
ジョニ黒は、かつての日本においては憧れの高級酒だったとよく語られる。
かの名作BAR漫画レモンハート第2巻(1986年に初刷発行)においても、ジョニ黒はむかし超高級品だったというセリフが出てくる。
1950年代においては大卒の初任給2ヶ月分くらいに当たる1万円はしたそうで、高価格の理由としては、舶来品はそれだけでレアであったこと、酒税法がいまとは違ったことなどがあげられるようだ。
それはともかく、味わってみよう。
グラスに注いで香りを嗅ぐ。フルーティな中にもビターさも感じる。
ストレートで舐める。ストレートでも飲みやすい。苦味、渋味、スモーク感などのウィスキーらしい味も当然含まれてはいるのだが、それらをわずかに制して一番前面にきているのはシェリー樽由来のフルーティな甘みである。
口内での感触はまろやかでとろみを感じる。喉越しもそんなにキツくない。
続いては加水する。甘みがやわらぎ、苦味や渋味と融合してビターな旨味へと変化。樽の香りや風味がより良く感じられる。
ロック。甘みが引っ込んでストレートよりむしろ渋味、苦味が強まる。キレのいいウィスキーらしい味がじっくり楽しめる。
炭酸水を注いでウィスキーソーダに。まろやかでスパイシーな旨み。その奥にある甘みをともなったわずかな渋味が奥深さを作り出している。
うん、しみじみとおいしい。日々のちょっとの贅沢に、ウィスキーの歴史に想いをはせながら、たまには飲みたい銘酒である。