【ビールレビュー】プレミアムモルツ 茜色エール – 香ばしいオレンジ&クッキー。濃厚なる麦の旨み
今宵はプレミアムモルツのジャパニーズエールシリーズのひとつ、茜色エールを飲んでみよう。
発売さ れたのは2024年8月20日で、いまは11月も末だが、まだ飲んでなかったんだよね。限定発売なので、そのうち手に入らなくなるだろうからいまのうちに。
さてこのビール、数種類の濃色麦芽、穀皮を除去した磨きダイヤモンド麦芽などを使用し、香ばしく豊潤、フルーティで奥深い香りを実現しているとのこと。
原材料は麦芽とホップ。度数は6%とややパワフル。色はなかなか濃いめの琥珀色。泡もオレンジブラウンがかっている。
漂ういい香りは―――なんだろう? オレンジが使われたクッキー? そんな匂いがする。
一口飲むとそのオレンジ&クッキーがぱぁっと口の中に広がる。その後にまったりとした、それでいて力強い麦の旨み、そして甘みみがくる。
なるほど香ばしい。黒ビール等にある焦げた香ばしさとはまた違う、ソフトに焙煎された麦の香ばしさが大いに香る。
苦味はかなり控えめ。隠し味のスパイス程度の感覚か。
フルーティさは柑橘系だが、レモンやグレープフルーツというよりはオレンジ、いや熟した冬のみかんを思わせてくれる。この辺りの微妙な味わい、そこからくる連想に、ジャパニーズエールのゆえんを感じる。
飲み口や喉越しは極めて軽やかだ。それでいて尖った感がないのは、泡のクリーミーさや、旨みやコクの力強さによるものと思う。
涼やかな清涼感と、暖かさを想起させるまったりとした味の濃さ。なるほどサントリーがこのビールを秋のビールとしたのも頷ける。
それにしても、プレモルの限定ビールはいつも旨いね。旨いにプラスして、驚きとある種の感銘も抱かせてくれる。
この手の限定ビールというのは飲み屋ではあまり扱われないだろうから、現代というのは、バー飲みよりむしろ家飲みのほうが特別な味わいを愉しみやすい時代、といえるのかもしれない。少なくともビールにおいては。
うむ、大満足。もっと早くに飲んで、売られている期間だけとはいえ常飲ビールにしておくべきだったかな? そういうささやかな後悔を味わえることも含めて、いろんなビールを飲んでみるというのは楽しいものだ。