cigar by Pixabay

 葉巻だろうがパイプだろうが紙巻きだろうが、冬はタバコが不味くなる時期である。相対湿度、絶対湿度ともに湿度が激減するので、リーフがカラカラに乾いてしまうためとされている。

 さらには先日、とある海外ショップよりノンキューバンのシガーをたんまり個人輸入したが、元の管理がひどいのか、輸送の過程でそうなったのか、ほとんどドライシガーのような葉巻が送られてきた。

 夏場はおいしく感じられた銘柄が、信じられないくらいまずい。いや、まずい以上に、気持ち悪い。煙を吸うと、口や喉の中がガサガサに荒廃したような感覚になる。口腔喫煙とはいえ若干の煙は肺や胃に落ちるので、胸も胃も猛烈に悪くなる。高い金を払って、何でこんな苦痛を味あわねばならぬのか、という気分となる。

 理想は湿度管理のしっかりされたヒュミドール等で、時間をかけてリーフの水分を戻していくべきなのだろうが、そうもいかない場合の対策を思いついた。

捨てるくらいなら試してみよう、蒸し葉巻

 その対策とはまぁタイトル通りで、「葉巻を蒸す」ということである。

 電気ケトルでも鍋でも良い、湯を沸かし、立ち昇る湯気に葉巻を数十秒~数分程度当てるのだ。

 タイミングは吸う直前で良い。あるいは火をつけた後でもいい。着火し、一度試しに吸ってみて、吸えたもんじゃないほど不味かったらこの方法を取ってみても良い。

 それだけで、体内を荒廃させるような感覚は大部分消え、辛さや渋さも緩和される。旨みや甘みも感じ取れるようになってくる。

 基本、葉巻の過加湿は、乾燥以上に厳禁とされる。破損や青カビなど致命的なダメージの原因となるし、香り成分が飛んでしまうからだとされる。

 蒸すのが喫煙直前あるいは喫煙中であるならば、葉巻がぐちゃぐちゃにならぬよう気をつける必要はあるだろうけれど、カビの心配はない。

 場合によって香りが損なわれることはあるかもしれないが、苦痛をもたらすだけのカラカラシガーを吸うよりはマシだ。

 耐え難いほどまずいシガーに当たった際、あきらめて捨てるくらいなら、この方法を試してみても良いのではないだろうか。