【Pipe】シルクロード – 穏やかでスムースな日本人好みの旨み
シルクロードはかつて日本で作られていたが、いまはデンマークのマックバレン社に製造委託している“旧JT”パイプタバコ のひとつ。
パイプタバコの中ではかなりリーズナブルなお値段ではあるが、穏やかながらもしっかりとした旨味が味わえる逸品だ。
ブレンドはバージニア、バーレイ、オリエントとのこと。
控えめなバニラ着香がされており、葉は適度にしっとりしておりやわらかい。一見、ややラフめにカットされているように思えるが、案外丁寧に切られており、取り扱いはしやすそうだ。
火付きはまあ、普通。アメリカタイプのようにさくっと火が付くわけではないが、丁寧に回数をかけて火種を作れば問題ない。火もちも悪くはない。
序盤、バニラの風味とともにライトで軽やかな甘みが口の中に入ってくる。とてもスムースで心地よい喫味。
中盤以降は、出汁系の旨味が強くなってくる。吸い方次第では、ちょっと苦味や雑味も感じられるかもしれないが、苦痛に思うほどではない。変な刺激もない。
印象としては、地味かもしれないが、十分おいしく、最後まで楽に吸えるパイプタバコ 。
同じ旧JTの桃山と比較すれば、桃山にあるようなフルーティで鮮やかな風味はないが、旨味という点ではこちらの方が強い…ように感じる。どちらもうまい。
日本人向けのレシピで作られているというだけあって、やはり我々の好みにあったものになっているのかもしれない。
イメージされる情景は、シルクロードの終着点近く、中国の田舎の風景。光あふれるのどかな自然と、素朴で美味しい料理。
私的分類では、日常の何気ない気力や体力をそっと支えてくれるようなアップ系。
ややマイナーなイメージのある銘柄だが、長年売り続けられているということはこれを常喫とし買い続けているスモーカーも多いということだ。
いろんな商品に手を出したくはなるが、好みに合わずがっかり、ということが多いパイプタバコの世界において、なるほど、常喫用として置いておけば安心、な銘柄のひとつであるといえよう。