【ビールレビュー】キリン クラシックラガー – 昭和40年ごろのラガーの再現。どこかあったかい味わい
キリンのクラシックラガーは、昭和40年ごろのキリンラガーの味わいを再現したビール。パッケージのあたたかみのあるレトロさがいいね。
当時と同じ製法で醸造した熱処理タイプであり、コクや苦味といったビールらしい味わいにこだわって造っているのだそうだ。
原材料は麦芽、ホップ、米、コーン、スターチ。度数は4.5%とちょっと軽い。色合いは思いのほか透明度が高くて明るめだ。
泡はちょっと荒めのようでまったりとした粘度もある。キリンらしいクリーミーさ。
味わいはいかにもビールという感じの、コクのある苦味がメイン。そのあとに、麦の旨みや香りがふんわりと口の中に充満する。
ううん、沁みる。心身に沁みるビールだ。旨し。
しっかりとした厚みのある味わいなのに、同時に軽やかで飲みやすいところもある。これはアルコール度数が絶妙に軽いことが要因なのかも知れない。
懐かしい、むかしながらのビールの味―――と感じるのはむろん錯覚だろう。昭和40年となると、私も生まれてすらいない。
ただ、やわらかな暖色に包まれた古くからの居酒屋だとか、子供の頃にこっそり舐めてみたビールの味だとか、そういうものを想起させる味ではある。
そう、あったかい味なんだね。冷蔵庫でキンキンに冷やしてから飲んでるんだけど、どこかあったかい。
昭和40年か…。もしこのビールを飲んで「ああ懐かしい」と本当に思える、当時それなりの年齢だった人となると、もう相当なご高齢であろう。
1970年代とかの日本映画などを見ながらしみじみ飲みたい、そんなビールである。