【ビールレビュー】黒ラベル エクストラモルト – ガッツリとした濃厚な麦感。重厚なる味と飲み口
サッポロ黒ラベルの赤い缶バージョンをときおり見かけるが、一定期間だけ発売される限定商品らしい。
昨年(2023)もあったがそれは「エクストラドラフト」で、今年2024年は「エクストラモルト」であるので、中身も違うものなのだと思われる。独自開発の「旨さ長持ち麦芽」なる麦芽を使用し、より麦の旨みを重視したビールとなっているとのこと。
原材料は麦芽、ホップ、米、コーン、スターチ。度数は5.5%。通常の黒ラベルが5%なのでちょっと強い。色合いもやや濃いめに見える。
炭酸は弱めなのか、泡は繊細で抜けも良く、気を抜くとすぐに消えてしまうタイプ―――違う言い方をすればお腹に溜まりにくく飲みやすいタイプのビールだろう。
さて一口。おお、濃い―――という第一印象。まずはガツンとした濃厚な麦の旨みが最初に来て、次に甘みが訪れる。余韻として広がるのはほろ苦さだが、余韻というにはかなりの濃さでもある。
味わいの中にはコクがあるが、飲み口や喉越しという意味ではさっぱり爽やかな感触。スムースな飲みやすさのなかに濃く重厚な味わいがあり、その内にはなかなか渋い奥深さも感じられる。
そのバランスが、グビグビ一気飲みするのではなく、それなりにじっくり味わって飲もうかという気にさせる。ただしチビチビと飲むのではない。グビリ、グビリと一口の量を多めにしつつ、それでいて時間はかけて飲みたい。
通常の黒ラベルと比べると、やはり旨みにせよ苦味にせよ濃い。麦感が濃い。麦的な要素がガッツリとしている。なるほどエクストラなモルト感。
うまいねぇ。ただ、限定品らしい味わいだなとも思う。日常品として毎日飲むものとしてはちょっと重たい気もするからだ。とはいえ、ときどきはこういう濃厚ビールが飲みたくなるのも確かである。