カマーチョ マチトス

 ホンジュラスの有名シガーブランド、カマーチョのマチトスである。彩度の高い色彩を用いたシンプルなリング、そこに描かれたサソリの絵が目を引く。

 カマーチョとはスペイン系の姓にある名前だそうだが、勝手な印象ながらどことなくメキシコチックである。そしてこのリングデザインとイメージイラスト―――いかにも辛そうで強そうなシガーだが、果たしてどんなものか。

カマーチョ マチトス3種の紹介

 カマーチョ マチトスにはコネチカット(オレンジ帯)、クリオロ(黄帯)、コロホ(赤帯)の3種類があり、サイズはどれも長さ約101mm、太さ約12.7mmと、プリトス系のサイズである。

 ひとつひとつ紹介していこう。

カマーチョ コネチカット マチトス(オレンジ帯)

カマーチョ マチトス オレンジ

 オレンジ帯のコネチカットは3種類で一番マイルドなタイプ。

 序盤は中にたっぷりの旨みと甘みを含んだスパイシーさが前面に来る。控えめなビターさも、魚介系の旨味に感じられる。リング色からの連想かもしれないが、オレンジっぽい風味もするような気がする。

 後半は旨みがどんどん強くなる。それでいながら嫌な辛味や刺激は全然なく、煙はマイルドでライト。粘膜を刺激するような棘もなく、とことん吸いやすい。

 これはうまい。人によっては軽い、という人もいるかもしれないが、私の好きなホンジュラスらしいうまさだ。

 イメージされる情景は、活気に満ちた南国の市場。私的分類としては、ちょっと散歩にでも出ようかという気分にさせてくれるUP系としたい。

カマーチョ クリオロ マチトス(黄帯)

カマーチョ マチトス 黄

 黄色のクリオロはコネチカットと同じくらいか、ちょっと強めのボディとのこと。

 着火とともに、香ばしい焼き菓子の香りが立ち昇る。そのなかに柑橘系の酸味やフルーティさが感じられる。

 味わいはほろ苦系。たばこらしいほろ苦さの中に、さわやかな酸味がある。

 ちょっと不思議な喫味。「レモングラスやタイムのようなハーブの香り」とはショップの言だが、なるほどそんな感じがする。

 柑橘類やハーブで着香されているのだろうか? 柑橘の風味が奥歯のあたりに残る。

 煙はやはり柔らかい。鼻に通してもツンツンするところがない。

 イメージされる情景は、レモンやオレンジのなる果樹園の朝。私的分類としては、爽やかな気分とともに活力を高めるアップ系だ。

カマーチョ コロホ マチトス(赤帯)

カマーチョ マチトス 赤

 赤帯のマチトスは、その外観どおり他の二つより強めのボディを持つタイプ。

 最初の一口から、「おぅっ、スパイシー!」と口に出したくなる、しっかりとした旨みを伴うスパイシーさが来る。

 辛味や刺激もあるが、不快にならない範囲に収まっている。やはり鼻に通してもツンツンしたりはしない。この点はプリトス系として極めて優秀だ。

 後半はビターさが出てくるが、サザエなどを思わせるようなうまいビターさである。

 他二つに比べれば確かにヘビー。とはいえシガー全般のなかでは、楽に吸える方なのではないか。

 イメージされる情景は、南米あたりのカジノ街。私的分類としては、飲みやパーティの席でテンションを上げてくれそうなアップ系である。

ワイルドでありながらソフト

カマーチョ マチトス

 ドローはどれも軽快―――ひょっとするとちょっと緩くて燃焼が早い、かも知れない。

 ワイルドで強そうな外観でありながら、意外や喫味はどれも優しい。スパイシーだったり、パンチが効いてたりもするが、それらはみなおいしく心地よい要素として存在する。「嫌な刺激」に類するものはほぼ感じられない。

 私の一押しはオレンジのコネチカットだが、このへんは好みもあるだろう。

 今回は楽天でシガーを買える大越酒店販売のカマーチョお試しセットを吸ってみた。各種2本ずつの6本セットである。最初はこれで自分のお好みをさぐってみると良い。