【Beer】アサヒ 黒生 – さっぱりとした飲み口の中にあるブランデーとレーズン【Japan】
黒生はアサヒが1982年に作ったという黒生ビール。「19世紀後半頃からドイツでよく飲まれはじめた濃色のミュンヘンビールの流れをくむ黒ビール」とのことだ。
原材料は麦芽、ホップ、米、コーン、スターチ。度数は5%。香りが案外強く、ブランデーかレーズンを思わせる。
おだやかにベージュがかった泡は、アサヒらしい、ソーダっぽく爽快感のある飲み口。
飲み口も軽め。他の黒ビールの濃厚さが重苦しいと感じる人には飲みやすいだろう。
その一方、前面に出てくるのは結構強めの芳ばしい苦みだ。次に来るのはそのなかにある酸味。
その酸味がなかなかに個性的だ。やや独特のハーブっぽい味わい、スパイシーな刺激が、その内に感じられる。
旨みと甘みは、特徴的な苦みや酸味を後ろで支える役割か。それらが味わい全体をほんのり包み込み、バランスを整えている。
黒ビールの特徴であるコーヒー感はあまり感じない。前述したように、レーズンやブランデーを思わせる味わいと風味だ。
公式サイトには「味はまろやかでやや甘味があることが特徴」とあり、それは確かにそうなのだが、個人的には苦味や酸味の奥にある独特な風味こそが、このビールの特徴であり醍醐味であるように感じた。
かなりユニークなビールであるように思うし、ひょっとしたらこれが古典的かつ本格的なミュンヘンビールの味なのかな、とも思う(そんな風格もある)。
マルエフの兄弟分らしく、どこかレトロで懐かしい感覚もある。
飲みにくいわけではない。むしろ飲みやすい、黒ビールにしてはさっぱり系な感触なのも特徴。ちょっと個性的な味を、ぐびぐび気軽に楽しめる、そんな黒ビールだ。