アンフォーラ フルアロマティック

 アンフォーラのフルアロマティックはむかしから日本で一番売れていると言われているパイプタバコ 。

 吸いやすさと本格的な旨さを併せ持つ、バランスの良い逸品である。

吸いやすさとわかりやすいおいしさ、その奥にある複雑さ

アンフォーラ フルアロマティック

 アンフォーラフルアロマティックはバージニア、バーレイ、ケンタッキー、オリエンタルのブレンド。

 やや赤みを帯びた茶褐色の葉は、やや細めにカットされている。

 葉自体の香りは、まず柑橘系。ただどこかにまろやかな感じもある。柑橘系の果物が、牛乳、あるいはココアミルクに包まれているかのような風味だ。

 湿り気はそこそこ。柔らかい葉なので、詰めるのは楽。火付きもごく普通。問題なし。

 紫煙に含まれるのはバージニアの甘さ、バーレイの刺激、あとはオリエントによるものかわずかに出汁っぽい旨み。だがそれらは、吸い方によってかなりその味わいを変える。

 しっかり燃焼させた場合は、さわやかな柑橘系の味わい。ごくごくゆったり、優しく吸った場合はミルク感がメインになる。燃焼がいいので、過燃焼させすぎて辛くしてしまわぬよう注意だ。

 奥深い味わいは、一方でクセがない。煙の香りも、柑橘系のそれがふくまれつつも、尖ったところがなくマイルドだ。

 強さはややライト寄りのミディアム。古くから人気というだけあって、飽きずに気軽に吸えるタバコであるように思う。

 イメージされる情景は、不思議な果樹園。そこに実っている、ザクロのような果実。その真っ赤な果肉。果肉、肉、血。あざやかに動き出す血。血の浄化―――

 私的分類では、疲れがすっきりとれそうなリラックス系。

 気負わず楽に吸える一方、カジュアルすぎもしない。わかりやすいおいしさの奥にある複雑さ。多くのスモーカーが常喫とするのも納得なパイプタバコである。