アヴォ プリトス ティン(4種)

 アヴォは大きいサイズの葉巻も作っているけれど、なによりプリトスサイズのティンシガー(缶入りシガー)で名高いブランド。

 プリトスとして「こういうのでいいんだよ」と思わせてくれる、絶妙なバランスの品々を製造している。

 なお紹介する4種のうち、クラシック、ドメイン、シンクロニカラグアは楽天・大越酒店販売のプリトスシガーセットに含まれていたものとなる。

アヴォ プリトス4種の紹介

アヴォ プリトス ティン(4種)

 アヴォのプリトスにはクラシック、ドメイン、シンクロニカラグア、シンクロニカラグア・フォガッタの4種類がリリースされている。

 どれもサイズは長さ101.6mm、太さ12.7mm。ひとつひとつレビューしていこう。

アヴォ プリトス クラシック ティン

アヴォ プリトス ティン クラシック

 クラシックは明るく柔らかなライトブラウンの外観。

 リーフはドミニカ産で、表面からは木っぽい香りがほのかにする。

 火をつけた瞬間、コーヒー、あるいは穀物をローストしたようないい香りがあたりに立ち昇る。

 煙の味はスイート系。甘さとビターさが、くどくないミルク感の中で混じり合っている。あっさりした上品なカフェオレを連想させる。

 強く吸うと、ビターさもだが甘さがより強まり、練乳を思わせる喫味となる。

 イメージされる情景は、朝の爽やかな牧場。乳牛たちが目を覚まし、草をはんでいる。

 私的分類としては、優しく朗らかな気分にさせてくれるリラックス系としたい。

アヴォ プリトス ドメイン ティン

アヴォ プリトス ティン ドメイン

 やや色の濃いドメインはクラシック同様ドミニカ産のマデューロ(熟成)タイプ。本体からはわずかな酸味を感じさせる発酵臭が漂う。

 味わいとしてはビター系だが、そのビターさそのものが甘く、うまい。苦味と甘み、旨みが融合している。軽めのスパイシー感がおいしさを後押し。

 ローストされた穀物の風味。これも苦味的要素でありつつも―――玄米茶の玄米のように―――味わいをまろやかにしている。元気のもとになりそうな塩気も感じられる。

 イメージされる情景は、昼のビジネス街。街ゆく人々や車を高層ビルのオフィスの窓から眺める。

 私的分類としては、安らぎをもたらしつつも心身を研ぎ澄ましてくれるアップ系。

アヴォ プリトス シンクロニカラグア ティン

アヴォ プリトス ティン シンクロニカラグア

 シンクロニカラグアはその名の通りニカラグア葉を使用したもの。

 ダークブラウンのボディからは、カカオっぽさとチーズっぽさがある香り。

 味わいとしてメインに来るのはコクのある旨味と混じり合ったスパイシーさ。

 その奥にはどこかフルーティな感じもあり、ちょっと苦味のある柑橘系のような風味が見え隠れする。ひかえめなビターさは味全体の引き締め役だ。

 イメージされる情景はイタリアあたりの夜の繁華街。 

 私的分類としては、おしゃれで軽快な活気を与えてくれるアップ系だ。

アヴォ プリトス シンクロニカラグア フォガッタ ティン

アヴォ プリトス ティン シンクロニカラグア フォガッタ

 シンクロニカラグア フォガッタは通常のシンクロニカラグアよりソフトでまろやかなタイプ。

 本体からはちょっと酸味のある木の香り。

 ビターさのすぐ下に濃い甘みと旨味がある。スパイス感はそれほどではないが、いい具合の隠し味となっている。

 ショップの説明によると「シナモンの効いたカプチーノ的な風味」とのことだったが、実際そんな喫味である。

 イメージされる情景は、フランスの午後。おしゃれなカフェ。

 私的分類としては、無駄な力みを取り去りつつ活力を高めるアップ系。

プリトスとしてのちょうど良さ

アヴォ プリトス ティン(4種)

 どの品もドローきつからず、ゆるからず―――つまりちょうどいい。

 比較的ライトで、楽に吸え、小振りなシガーにありがちな辛味が少ない。

 どれもとてもおいしいのだけれども、単に味だけでいうなら、これらアヴォ プリトスより濃厚でうまいものは―――同じプリトス系にも―――いくつかある。

 このシリーズの何より優秀なところは、気軽に吸えるデイリー・プリトスシガーとしての絶妙なバランスの良さ、そしてそれがもたらす心地よさであるように思う。

 濃すぎない適度な味わい、刺激の少ない吸いやすさ、負担にならない軽めのボディ…

 さまざまな面で、プリトスシガーとして「ちょうど良く」「具合が良い」。

 我々がプリトスに需要するものをピタリと供給してくれる、そんな葉巻たちだといえる。