【シガーレビュー】CAO ピロン コロナ – 非キューバンシガーの地位を高めたブランド
CAOは主にニカラグアやホンジュラスのタバコを使用した、アメリカ発のシガーブランド。90年代のアメリカにおけるシガーブームの立役者といわれる。
そんなCAOのピロン、コロナである。リーフはすべてニカラグア産のようだ。コロナという名前だが、長さは139mm、太さ17mmなので、一般的にはペティコロナというべきサイズ感である。
どこか焦げたようなダークブラウンのボディには、神秘的なデザインのベージュのリングが巻かれている。
着火すると、その外見にふさわしい、ロースト感あふれるいい香りが立ち昇る。
ドローは当然のように良い。すぐに、うまっ、と感じさせるスパイシーさと塩気が来る。胡椒の辛さ、ナッツ的なコク。奥の方にある甘さ。チョコレートコーヒー。
中盤以降、徐々に前に出てくるビターさも旨い。深入りされたナッツ。しっかり焼き上げられたパン。
濃厚だが喫味は軽やかだ。心身はじっくり落ち着きながらも、少しずつ目が冴えてゆく。
イメージされる情景は、天気の良い春の日、自家製のパンがおいしい、おしゃれなオープンカフェ。
私的分類としては、穏やかな高揚感を得られるアップ系。
やはりニカラグアやホンジュラスのシガーはいい。ハバナもののような奥深さや複雑さには欠けるかもしれないが、安定したおいしさとそれにともなう喜びを確実に与えてくれる。
ハイランクなものでもそれほど過剰なお値段にはならない。CAOは軽く見られがちな非キューバンシガーの評価を高めたともいわれるが、なるほど納得なシガーであった。