【GinReview】ビーフィーター・ジン - さわやかかつ奥深い、カクテルベースの定番【England】

 ロンドン・ドライ・ジンのひとつであり、少なくとも日本では最も有名なジンになるのだろう、ビーフィーター・ジンである。

 1820年創業の、歴史ある伝統的なジン。レモンピール、セビルオレンジピール、ジュニパーベリーなど、厳選された9種類のボタニカル(植物由来原料)が使用されたお酒だそうな。

 香りは柑橘系と、松などの針葉樹を思わせるような独特の匂いが混じり合っている。

 ジンをおいしく飲むテクニックとして定番、冷凍庫で冷やしてから、ストレートで飲んでみる。

 さわやかでレモン的な酸味、オレンジを思わせる甘味、冷凍庫保存した結果でもあるとろりとした飲み口。

 もちろんジン(ジンの中では比較的クセのない飲みやすいものとはいわれるが)なので、アルコールの強さ、何ともいえない独特の味わいも有しているのだが、それでもどこか舌に馴染む。

 馴染みのある、感覚。それはさまざまなカクテル等で使用され、実はこの酒を飲み慣れているがゆえ、なのかもしれない。

 ストレートで飲み続けるのはさすがにつらいので、ロックにしてみる。甘味と、とろりとした感覚が増すように感じる。加水する。甘み、フルーツ感、独特さの中にあるクセになるような味わいを落ち着いて味わう。

 続いてはジュースを使って適当カクテルを作ってみよう。オレンジジュース、グレープフルーツジュースなどで割ってみる。おいしいが、やはりバーなどで頂くカクテルには及ばない。そりゃそうだ。正しいレシピと、バーテンダーさんの技術というものはやはり重要なのである。

 さてトニックウォーターで割ってみる。こちらも分量極めて適当な、ジントニックというにはおこがましい「ジンのトニックウォーター割り」であるが、これはおいしかった。「これだよこれ」といいたくなる。ジンとトニックウォーターの組み合わせというのは、実に偉大だ。

 ストレートやロックでその独特さの中にある奥深さを探求するもよし。おいしく飲みやすいカクテルにしてあげるもよし。様々な楽しみ方ができそうなお酒である。