【ビールレビュー】エビス プレミアムエール – 濃厚なビールの味を彩るフルーティなソース。幸福感をもたらす極上のコク
エビスプレミアムエールは欧州産麦芽とドイツバイエルン産アロマホップを贅沢に使用したエールビール。
ホップはクラフトビールなどでもよく使われるカスケードを採用。醸造に通常の1.5倍の時間をかけ、ゆっくりと熟成させているそうな。
原材料は麦芽とホップ。度数は5.5%。赤みがかった、かなり濃い色合いで、泡もまたオレンジ色を帯びている。パッケージの色が青なので、その意外な対比に驚きつつもちょっと高揚する。
繊細なようでコックリとした泡。そこからはおだやかで清涼感のあるホップの香りがただよう。
ホップにこだわったエールビールだけあってワイン的なフルーティさがある。余韻もまた甘く爽やかだ。ただビールらしい麦の味わい―――苦味、旨みもしっかり、いやガッツリとした濃度で存在する。
この濃い麦の味わいこそが、実はこのビールのメインではないか。ステーキでいうなら、脂の乗った肉そのもの。フルーティさは肉の強烈な個性や味わいを制御し、上品で奥深い味に整えてくれるソース。
あとコクが旨いよ。コクもいい仕事をしている。強烈な麦の味、それと拮抗するフルーティさを、まったりとしたクリーム感が優しく包み込んでいる。
ああ、旨い。いろいろ飲み比べるようになってしみじみ思うが、やっぱりエビスは旨い。
むかしはエビスシリーズは苦くて苦手、と感じていたのだが、いまとなってはなぜそんなふうに思っていたのかよくわからないな。舌が成熟したのか、それともアル中+ビール中毒がより進行したということなのか。
どんなシュチュエーションで飲むのがいいだろうね? バー的な空間で飲みたいように思う。家で飲むなら、この味わいにしっかり向き合えるよう、味に集中できる静かな環境で、おつまみもその邪魔をしないシンプルなものとしたい。
この奥深い味をしっかり探究するつもりで飲まないともったいない―――そんなふうに思わせる、ハイクオリティなビールであると思う。