バスコダガマ アソート ウイスキー ラム ポートワイン グランドオロ エスペシャル コロナサイズ系・チューブ入

 楽天通販でシガーを買える大越酒店より、バスコダガマのチューブ・コロナタイプのドライシガー5本セットを購入した。

 高級プレミアムシガーに比べればリーズナブルだが、ドライシガーとしては最高級になるであろう品々だ。

バスコダガマ チューブ コロナ 5種類のレビュー

 5種類のバスコダガマ チューブ コロナを、ひとつひとつ紹介していこう。

バスコダガマ エスペシャル

バスコダガマ エスペシャル

 表面からは旨味を感じさせる微かな発酵臭がする。

 着火して直後に来るのは、甘味と旨味。その後すぐ、ほろ苦さや渋みが到着し、その後はそれらがメインになる。甘味と旨味は後ろに隠れる。

 苦さや渋みというとネガティブポイントになる場合も多いが、この葉巻の苦味・渋みはおいしい苦味・渋みである。

 良質のウニやサザエが持つような、あるいは良質の酒が持つような、苦くて渋いんだけど、これがいいんだよな、と感じさせる味わいである。

 中盤以降になると、各種の味わいが混じり合い、融合し、まろやかな、さまざまな材料で出汁をとったスープのような旨味に変わる。

 強さ的にはややライトか。吸いやすい。

 私的分類としては、味わいを探っているうちにじんわりと活力が高まるアップ系だ。

バスコダガマ グランドオロ

バスコダガマ グランドオロ

 着火直後からスパイシーなうまみが口の中に広がる。

 中盤からふわりとビターさが強まる。それは既存の味とすぐに融合し、アーモンド的な風味の味わいとなる。

 やがていつのまにか、甘味や出汁っぽい風味も出てくる。

 最終盤、再びビターさが強まり、前へ出くるが、他の味わいも強くなっているので、不快に感じることなく、渋みあふれる味わいとして楽しめる。

 強さはやはりややライト。私的分類では、心地よい精神集中と活動力をもたらしてくれそうなアップ系。

バスコダガマ ウィスキー

バスコダガマ ウィスキー

 ここからはお酒で着香されたタイプで、上記二つよりやや高価格となる。

 バスコダガマ ウィスキーはその名の通りウィスキーで着香されたシガー。

『スコットランドの醸造所で作られた、シングル・ハイランド・モルト・ウィスキー「グレンファー・クラス」とのコラボレーションにより生まれた、伝統を感じさせる味わい』とのこと。

 開封直後、たしかにウィスキーっぽい匂いがほんのり香る。ただそれはごくわずかなものであり、その後は表面の香りなどを嗅いでみても、普通の葉巻とそんなに変わらないかな、という感じになる。

 味わいは上品、上質なビターさがメイン。

 吸い続けるうちに、その奥に溶けている旨みやスパイシーさが感じ取れるようになる。中盤以降、ときおりふわりと浮上するのは、甘さ控えめの焼き菓子のような香ばしさ。

 ウイスキーの風味は、最後まであるかなしか程度にとどまる。ただそのあるかなしかの要素が、味や香りに深みを与えているように思う。

 私的分類では、心身をじっくりくつろがせてくれるリラックス系としたい。

バスコダガマ ラム

バスコダガマ ラム

 こちらも香りということでは、ラム酒っぽい香りがわずかにするかしないか程度だ。

 着火しての最初の一口。スイート・フルーティ・スパイシーな味が口の中に入り込んでくる。南国のめずらしい果実でも食べたかのような味わい。

 まもなく上質なビターさが前へ出てくる。その後はビターさがメインとなるのはウィスキータイプ同様だ。

 ビターさは若干ウイスキータイプより強めだろうか。その奥にある熟成したラムの香り、フルーティな甘み、不思議なスパイシー感を、探るように楽しみたい。

 私的分類としては、哲学的な思索の助けとなりそうなリラックス系だ。

バスコダガマ ポートワイン

バスコダガマ ポートワイン

 こちらはポートワイン着香。風を開けたポートワインとともに保存され、気化したワインの風味を吸い込みながら熟成したシガーとのこと。

 本体からは、ちょっと不思議な香りが漂う。

 フルーティ感、甘さ、そのなかのスパイス感、ヨーグルトっぽさ。それらが混じり合ったその香りからイメージされるのは―――ピザだ。あるいはチーズがたっぷり入ったトマトソース。

 着火後も、そのイメージをより膨らませたような味わいが流れ込んでくる。チーズやオリーブオイルがたっぷり入った地中海料理。その甘さと旨味を、適度なピリ辛感と控えめのビターさが後押しする。

 中盤くらいから、やはりビターさが前に出てくるが、甘味、旨味も後退することなく、互いに鬩ぎ合う。

 その奥にあるワインの風味。その風味のおかげか、全体的な印象としては、甘い。辛さやほろ苦さも、ワインの甘い膜に包まれているような印象を抱く。

 私的分類としては、甘い空気の中で活力を高めてくれそうなアップ系。

高品質なる高価格帯ドライシガー

 高価格帯のドライシガーなので、比較するなら低価格帯のプレミアムシガーを相手にすべきだろう。

 やはりドライシガーゆえか喫味はやや乾いている。一方、味は鮮明。プレミアムシガーの奥深さはないかもしれないが、わかりやすくてしっかりと楽しめる。

 ドローはどれもいい。燃焼は少々早い。普通の吸い方であれば、40~50分くらいになろうかと思う。

 同価格帯の、短め(ハーフコロナなど)のプレミアムシガーには負けるかもしれないが、同価格帯・同サイズのプレミアムシガーと比べるなら、こちらのほうが優っているかもしれない。少なくとも品質はとても安定している。

 それなりのラージサイズだが、最後の方になるとどれも吸い終わるのが惜しくなる。いい葉巻だと思う。