【ビールレビュー】プレミアムモルツ 香るエール – 透明感あるフルーティさ。それと共にある麦の旨み
香るエールは、プレミアムモルツシリーズのひとつで、その名の通りエールビール。
さわやかな“醸造香”を生み出すフルーティ酵母、そしてヨーロッパ産アロマホップを使用。日本人に向いた香りと味わいをもつジャパニーズエールとして開発されたとのこと。
原材料は、麦芽とホップ。度数は6%。色合いはプレモルらしい透明感があり、明るくも淡めの金色だ。匂いはフルーツ感をともった柔らかな麦、といった香りがほのかにする。
さて一口。泡はさすが“神泡”プレモルの兄弟分だけあって旨い。シュワシュワとした爽快さの中にクリーミーさも有している。
味わいはというと、極めて上品なフルーティさと甘さが、初夏の風のように訪れる。控えめな、それでいてしっかりとしたほろ苦さはこれもまた品のいい余韻。
まるで上質なジュースのような―――といいたくなるが、むろんジュースではあり得ない。
スイーティかつフルーティな香りをまとったしっかりとしたビールであり、そのなかにはふんわりとした麦の旨みと風味が確かにある。
それにしてもこのクリアな感覚、澄み切った飲み口は、まさにプレミアムモルツだなぁと感じる。日本酒の名酒の味わいを表現する言葉として「水のような」という言い方があるが、このビールにもそれを感じる。
「水のような」清涼感や透明感、そんな飲み口がある一方で、味わいは奥深いビールであり、しっかりと酔っ払う。
その味わい、パッケージのさわやかな青さ、から連想されるのは、夏のエーゲ海だな。いやジャパニーズエールであるならば、日本のエーゲ海たる瀬戸内の海を思い浮かべよう(私は瀬戸内の民なのだ)。
なんとも旨い。高級酒のようにしみじみその質の高さを味わうビールだとも思うが、そこをあえてグビグビ一気飲みしてこそ、その真の旨さを楽しめるビールであるとも感じる。