バスコダガマ コロナ

 ドイツのシガーブランド・バスコダガマの、コロナサイズドライシガーを3種ご紹介する。

 どれも紙箱に5本入りで、本格的なプレミアムシガーよりはリーズナブルなタイプだ。

バスコダガマのコロナ、赤・緑・金

 一本一本はシダーで巻かれており、その上からフィルム包装されている。

 長さ153mm、太さ16.7mmと立派なコロナサイズ。表面も整っていて、絵に描いたような葉巻、といった外観である。

バスコダガマ No.922 赤 スマトラ

バスコダガマ コロナ オロ

 インドネシアのタバコ葉で作られたタイプ。

 いかにも東南アジアの葉巻、といったビターさが、まずは口の中に充満する。

 そのビターさの中から、少しずつスパイシーさや旨味、甘さも姿を現しはじめる。

 中盤以降からは、ビターさがやや控えめになり、他の要素が強くなる。それらが混じり合い、穏やかで芳ばしい、パンやクッキーを連想させる味わい・香りに変わる。

 正直、着火直後は「こりゃ不味いかな」と感じたが、後半にいくほどおいしくなっていった。価格を考えると悪くないシガーだ。

バスコダガマ No.920 緑 ブラジル

バスコダガマ コロナ ブラジル

 緑色のパッケージはブラジルリーフを使用したタイプ。

 暗褐色のワイルドな色合いだが、着火直後に訪れるのはスパイシーさをともなった、どこかフルーティな甘さ。

 しばらくたってからそこにビターさやコクのある旨みも混じり、味わいを複雑で奥深いものに変えてゆく。

 後半は各種の味が混じり合い、魚介系スペイン料理をイメージさせられるような味わいとなる。

 甘味も、辛味やスパイシーさも、ほろ苦さも、それぞれがおいしさの重要な要素だ。

バスコダガマ No.921 金 オロ

 オロとはスペイン語で黄金を意味する言葉だそうだ。

 赤や緑よりちょっぴり高価だが、その分味わいもハイレベルであるように思う。

 最序盤から口の中に入ってくるのは、蜜のような、あるいはよく煮込んだ脂身のようなコクのある甘味と旨みだ。

 後半に入ってからある程度のビターさも出てくるが、そのビターさがどこか味わいにフルーティ感を与える。

 最初から最後まで、高価なプレミアムシガーにも負けない甘味と旨味を味わえる。

ちょっとハイランクなデイリードライシガーとして

 ショートフィラーなのでマシンメイドだとは思うが、ゆえに品質は安定しておりドローはいい。

 煙の重さはややヘビー。コロナサイズなので、一度では吸いきれないかもしれない。私も2〜3回に分けて吸ったが、特に味がひどく落ちるということはなかった(むしろ2〜3回の方がおいしく感じた)。

 シガーの世界全体を見れば相当にリーズナブル。とはいえドライシガーの中ではやや高級。そのぶん味わいは奥深いし量もある。デイリーシガーとしてはこれくらいが最適、という人も多いのではないだろうか。